業務コラム

専任の技術者について

専任の技術者とは

建設業の許可取得において、要件の1つに「専任の技術者」を置くことが規定されています。許可を受けて建設業を営業しようとする全部の営業所に、専任の技術者を置くことが必要です。

この専任の技術者とは、建設業法では、営業所ごとに一定以上の技術的な水準を持っている職員を配置しなければならないと規定しており、この職員のことを専任技術者と呼んでいます。

専任技術者は雇用契約によって事業主と雇用関係にある、休日・その他勤務を要しない日を除いて、通常の勤務時間中はその営業所に勤務している(常勤性がある)人でなければなりません。

専任技術者を置くことが求められる理由は、建設工事に関して、常に専門知識を持っている(専任の)技術者のな技術的な指導の下で、建設業の営業が行われる体制を構築し、建設工事に関する請負契約の締結や工事の履行が適切に行われることを確保するためです。

申請する建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、またその業種によっても専任の技術者になるために必要となる技術資格要件の内容が異なります。

専任技術者になるための技術資格要件は、以下のとおりです。

①国家資格を持っていること

以下、表1-3【専任技術者となりうる国家資格等一覧表】に該当する国家資格が条件になります。(茨城県の建設業許可の手引きより引用)

◎:特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)になれる国家資格
○:一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となれる国家資格

②10年以上の実務経験を持っていること

原則として、10年以上の実務経験を持っていれば、国家資格を持っていなくても専任技術者になることができます。(大工工事の職人さんとして、10年以上の現場での実務経験があれば、専任技術者になることができます)

なお、実務経験年数は二重に計算することができません。例えば、10 年間土木一式工事と建築一式工事の両方に従事していた場合に、同時期の実務経験は土木一式の実務経験 10 年と建築一式工事の実務経験 10 年として計算することはできません。

両方の専任技術者となるためには、それぞれ 10 年間の実務経験が必要となります。

ただし、実務経験が複数業種にまたがる場合で(大工工事、とび・土工工事、屋根工事、しゅんせつ工事、ガラス工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、水道施設工事、解体工事の場合)、専任技術者となろうとする業種について8年の実務経験があり,その他の業種と併せて12年以上の実務経験を有していれば,専任技術者となることができる場合があります。

なお、注意すべきことは、10年の実務経験を立証することが非常に難しいということです。個人事業主として10年以上の実務経験を証明しようとする場合、10年分の工事の契約書や注文書・請書、請求書や入金履歴が確認できる通帳などの方法になります。10年分の資料が大半のケースで残っていないことが多く、立証の方法が難しいという問題があります。

また、以前の勤務先で従業員として勤務していたという場合、場合によっては以前の勤務先から実務経験を持っていることを証明してもらう必要が出てくることもあり、立証が難しい場合が多いです。

③高校(中等教育学校・1年制専門学校の場合)で指定学科を卒業後、5年以上の実務経験を持っていること

10年以上の実務経験がない場合でも、高校で指定学科を卒業してから、5年以上の現場での実務経験があれば、専任技術者になることができます。この場合、5年以上の実務経験が証明できれば、専任技術者になることができます。

なお、指定学科は業種ごとにわかれており、学科名が学校によってそれぞれ異なる場合がありますので、事前に申請する担当窓口に確認することが必要です。また、指定学科に該当するか否かは、卒業した学校に問い合わせのうえ、卒業証明書と履修科目証明書を取り寄せることが重要です。

④大学(短期大学・高等専門学校・旧専門学校・2年制専門学校の場合)で指定学科を卒業後、3年以上の実務経験を持っていること

③と同様に実務経験が短縮されます。この場合は、3年以上の実務経験の証明で専任技術者になることができます。

大学や高校で、指定学科を卒業していれば、専任技術者になるために必要な実務経験が短縮されますので、これから建設業許可を新規で取得される場合(もしくは更新時に国家資格者が不在の場合)は、従業員の方の中で、指定学科を卒業している方がいないかどうかを履歴書等で確認されることをおすすめします。

なお、専任技術者は、建設業の他業者の技術者、管理建築士、宅地建物取引士等、他の法令により専任性を必要とされている者とは兼ねることはできませんので、ご注意ください。
ただし、同一業者で同一の営業所である場合は兼ねることができます。

ちなみに、同一業者で同一の営業所である場合は、必要な要件を備えていれば、2 業種以上の専任技術者を兼ねることができ、また、常勤役員等、当該常勤役員等を直接に補佐する者又は営業所長も兼ねることができます。